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当院における診療に際しての基本理念

 

 

 患者にはできるかぎり不必要なストレスを与えないこと

 一般的には動物病院を訪れる犬や猫の多くが、日頃馴染みのない場所にわけもわからずに連れて来られ、その警戒心と緊張感はまさに極限状態にあります。

 そこで検査や治療のために不本意にも体を拘束され、挙げ句の果てに痛い思いや不快な思いをさせられたりすれば心に強い不安や恐怖を感じるのは当然でしょう。

 その際に生ずるストレスは健康な時ならばさほど問題にはならなくても、病気に罹っている患者の場合にはそれを悪化させたり回復を遅らせてしまうほどの影響を与えることもあります。

 そこが病気を治してもらうという目的意識をもち、自から病院に行く我々の場合と大きく違うところです。ただし受診風景からもわかるように、人も乳幼児となると状況はほぼ同じです。

 犬や猫にとって病気の治療とは自らの自然治癒力に頼ることであり、病気の時に動き回らず食欲も示さずにじっとしているのは、体力を温存し食物を消化吸収するためのエネルギーすら節約してそれを体の回復力に回そうとしているからです。

 そんな彼らにとってみれば、本来注射されたり薬を飲まされたりすることの意味は全く理解できないばかりか、それを無理強いされることは苦痛でしかないということを、我々は深く認識していなければいけないのではないでしょうか。

 しかし現実は飼主側と病院側双方の思い入れが相まって目の前の病気を診ることだけが優先され、患者側における心理的側面がなおざりにされる。残念なことですがこれが獣医療における臨床の現場の普遍的な姿なのです。

 もっとも人医療の世界でも昨今この問題が取り沙汰され、医療のための医療から患者のための医療へと医療本来のあり方があらためて問い直されてはいるようですが‥‥

 したがって当院ではすでに病気という直接的なストレスに嘖まれている患者に対して、彼らの心理的負担を最小限にとどめることで極力不必要なストレスを与えることのないよう、それを基本理念とする医療環境を提供しています。

 下段にそれらを具体的に示してありますが、これがそのまま当院の診療方針にもなっています。


 

 

  • 来院された患者とその保護者の心の緊張を解きほぐすのに最適な環境を得るため、病院としての一般的な利便性や機能性の多くを犠牲にして細部にまでゆとりの感じられる施設空間を用意しました。随所にゆったりと穏やかな時間が流れる中で診療に臨んでいただけます。

 

  • うむを言わさずに患者を押さえつけて行うような診療はできればパス!保護者には診療に立ち会っていただき、患者に安心感を与えるために声をかけたりご機嫌をとるための手助けなどもしていただきます。そのほか採血や処置する時などは体の保定をお願いすることもあります。

 

  • 病気というそれ自体が大きなストレスを抱えている患者にとって、通院や入院はいわばストレスの追い討ちのようなもの。できれば必要最小限にとどめたいので、獣医師が常時モニターしていないと危険な状態にある重症患者などを除き、処方した薬の服用などによる在宅治療が中心です。 

 

  • 普段から病院は楽しい所!と患者に思い込ませることもその心理的負担を軽減するという意味では大切です。診察台にあがる必要のない健康状態の時でも散歩がてら待合室のおやつでも食べにお立ち寄り下さい。病院に忌避感を抱かせないための雰囲気作りには当院は力を惜しみません。


とは言ったところでこのような考え方は、

 多くの飼主や動物病院関係者からすれば獣医師にあるまじき邪道、所詮当方のひとりよがりと言われるのがおちでしょう。

 しかし犬や猫を人間の理屈に当てはめて考えようとする、相変わらずのご都合主義からはそろそろ卒業したいものです。

 太古の昔からの愛すべき友人達に対し、彼らが犬として猫として生きる権利を尊重したフェアな共生関係を育むために。

 

 

 
                                   


当院が目指している理想の診療施設

 

 

 患者に対する心身両面からの総体的なケアができること

 患者とは細胞や組織、臓器といった単なる生物的側面だけで論じられるような存在ではなく、様々な環境との関わりの中で常に心を動かしながら行動している社会的心理的側面をもった存在です。

 すなわち病気自体は患者の生物的側面に由来するものだとしてもそれによる影響は広く患者の社会的心理的側面にまで及ぶため、病気の治療に際しては患者の心をどう扱うかによってその成否は大きく左右されることになります。

 それは言ってみれば、病気の体に対して如何に優れた治療を施したとしても患者の心の問題をおろそかにする限り治るものも治らないという、まさに「病は気から」の言葉によって示される経験則でもあります。

 それは我々人間だけではなく、中身やレベルの違いはあるにせよ犬や猫にも同じように言えることです。だからこそ獣医療においても心身のケアは診療上絶対不可欠であると当院は考えています。

 それでは日常診療においてそのことが一体どれほど重要な意味をもつのか?それを理解するためには心と体の関係についてあらかじめ知っておく必要があります。いささか専門的になりますが以下はそのための予備知識です。

 


 

  • 動物が生きるために不可欠な体の様々な機能を統合的にコントロールしている脳。その脳はおおまかに言うとそれぞれ次のような異なる役割をもつ3つのブロックによって構成されています。

 

 脳幹・脊髄系

  • 呼吸、血圧、体温をはじめ体中の組織や臓器・器官の働きを網目のような神経網を使って調節する自律神経系の機能と、血液中に様々なホルモンを放出して同様の調節を行う内分泌系の機能を主につかさどる部分。ただ生きているだけという、いわば生命の維持に際して必要最低限の役割を担っている場所です。中でも間脳にある視床下部と呼ばれる部分は極めて重要な働きをしています。個々の機能については人間も犬も猫も違いはあまりありません。

 

 

 大脳辺縁系

  • 性欲と性行動、食欲と食行動などの本能行動。さらに恐怖や不安といった情動と、それによって駆り立てられる攻撃行動や逃走行動などのいわゆる情動行動に関連した機能を主につかさどる部分。いずれも種族保存や固体保存に不可欠なそれらの行動を統御することで逞しく生きて行くための役割を担っている場所です。脳幹・脊髄系とは視床下部を介して密接に関係し合っています。個々の機能については人間も犬も猫も違いはあまりありません。

 

 

 新皮質系

  • 随意運動、体性感覚、視覚、聴覚、味覚、創造や思考、認識や理解、意欲の形成、記憶や判断、言語の使用といった様々な適応行為や創造行為に関連した機能を主につかさどる部分。それらの機能を駆使することでありとあらゆる状況に適応し、より良く上手に生きて行くための役割を担っている場所です。大脳辺縁系に対してはその働きをコントロールしています。個々の機能については人間と犬や猫では著しい違いがあります。

 

  • 以上のような脳すなわち中枢神経系の働きにより、動物は外界からのありとあらゆる刺激に対して見る、聴く、触れる、味わうなどしてそれを知覚するとともに、そこでもたらされた情報に基づきそれぞれの刺激に対する最も適切な行動を発現させることで生きるという営みを続けているわけです。  


 

 それではこれらの基本的な脳の働きにより“心と体がどのように結びつき影響し合うのか?”

 “それが問題行動や病気にどのように関係してくるのか?”

 それを今から犬や猫に心の動揺を生じさせる何らかの外部刺激が加えられた場合を想定し、できるだけわかり易くご説明しましょう。

 以下はそのための具体的事例です。  


 
 

 

 

 

  

 

 

 

a) ◯◯家の愛犬××ちゃんはある時、自宅の玄関先で何か物音がするのに気付き恐る恐るそばまで行ってみてガラス越しに誰かが訪ねてきたことを知りました。

b) そのあと××ちゃんは、ドアを開けて入ってきたのがいつも遊んでくれる△△さんと知るとしっぽを振りながら飛びついて顔を舐めるなどの歓迎振り。

c) 靴を脱いでいる間にもまとわりついて片時もそばを離れず、あげくの果てには何を思ったかその足にしがみついてマウント行動を始める始末。

d) △△さんが部屋に入るや否や××ちゃんの興奮は今がまさにピーク。あたり一面にオシッコをちびりまくるなどどうにもとまらない大狂乱状態と相成りました。

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 a)の場合は、新皮質系における視覚や聴覚などの働きが総動員され、玄関先に出現した何かを様々な感覚刺激として脳に取り込むと即座に情報を処理。その結果それが来訪者であると知覚されたということです。

*  *  *  *

 b)の場合は、新皮質系が来訪者を△△さんであると認識。一連の情報が大脳辺縁系にインプットされるとそこに脳幹・脊髄系における視床下部の働きも加わり、「嬉しいな」という感情が急きょ出現。それがしっぽを振ったり飛びついて顔を舐めたりする情動行動へと彼を駆り立てたというわけ。

 これが度を超すようであれば家中大暴れのデストロイヤー状態となり、無法者の烙印を押されて大概は問題行動として扱われるはめになります。 

 もしこれが△△さんではなく不審な人物であった場合はどうなるでしょう?大脳辺縁系で不安や恐怖のような情動が形成されるようであれば、吠えまくったり逃げ去るなどの情動行動が見られるかも。

 又相手に咬みつくような攻撃的な情動行動も、恐怖や怒りなどの感情の場合はよく見られる行動なのでご注意を!ただしいずれの場合も、それが度を超すとやはり問題行動にまで発展する可能性は大いにあります。

*  *  *  *

 c)の場合は、△△さんという刺激に対して情動行動の発現を促した大脳辺縁系の興奮状態が、同じ大脳辺縁系の別の機能である性行動の発現まで促してしまったもの。

 このほか心理的なストレス状態が続いた場合などに見られる食欲が異常に亢進する過食も、やはり心理的ストレスという大脳辺縁系における情動面の緊張状態が同じ大脳辺縁系の機能のひとつである食行動にまで影響を及ぼしたものです。

*  *  *  *

 d)のケースについては、上記のような激しい情動行動を促す大脳辺縁系の過剰な興奮が脳幹・脊髄系にもたらされた結果、視床下部を介して膀胱や尿道の働きを調節している自律神経系の活動が亢進。排尿モードのスイッチがオンの状態になってしまったというわけ。

 子犬などの中には、触られただけで尿を漏らすものがいるのはご存知のとおり。これなども大脳辺縁系や脳幹・脊髄系に興奮をもたらす原因がd)では嬉しいという感情であったのに対して、この場合は怯えなどの感情であるという点が違うだけで基本的には同じメカニズムによるもの。

 ちなみに犬の社会では、怯えからオシッコをちびるという行為これすなわち服従を示すサインとされ、相手の攻撃に対する抑制効果大。固体保存すなわち身を守るという目的上は非常に意味のある行動です。

 又強い怯えや恐怖は、同じように大脳辺縁系と脳幹・脊髄系における自律神経系を介して排尿だけでなく排便を促すことも。いずれも何らかの感情によってひき起こされる体の反応という意味の言葉として、情動反応とか情緒的反応と呼ばれています。

 このほかにも犬や猫に見られる情動反応は、色々様々で種々雑多です。その多くが保護者にとっては不都合な行動と結びついてしまうため、大概は問題行動として扱われるはめに。

 


 

 以上のように外界からの刺激は動物に様々な感情(情動)すなわち心の動揺を生じさせ、それが結果的に彼等を情動行動という特有の行動へと駆り立てていたわけです。

 その折に時としてその場の状況とは一見無関係な性行動や食行動が出現するのも、やはり心の動揺が原因でした。

 さらには心の動揺が自律神経系の活動にも影響を及ぼし、その結果情動反応と呼ばれる様々な体の反応がひき起こされるということもありました。

 これが動物における心と行動、心と体の相関関係の極めておおまかな成り立ちですが、次の事例ではその関係にもう少し踏み込んでみたいと思います。

 


 

 

  

 

 

 

 

 

 

a) ××家の愛猫◯◯ちゃんは、家族が1週間ほど旅行で家を留守にしたためその間ペットホテルにお泊まり。ずっと排便を我慢していたのか、家に帰るや否やカチンカチンの便を大量にした後で粘液の混じった下痢がみられました。

b) 数日後、今度は鼻水とくしゃみが出始め目にも目ヤニがべっとり。近所の動物病院で猫の鼻かぜと診断され薬を処方してもらいましたが、幸い◯◯ちゃんは毎年混合ワクチンを接種していたおかげで症状は軽くてすみました。

c) ペットホテルから帰ってからの◯◯ちゃんは、以前に比べるとどこか怯え気味で物音にも敏感。この頃からなぜか執拗に体を舐めるようになり、気づいた時には脇腹の皮膚が赤剥け状態といった有様。しかもそれだけではなく、玄関のドアや窓際の壁など毎日のようにおしっこをかける問題行動が出現しました。

d) さらにある時、事情があって知人の世話していた猫を引き取ることになりましたが、◯◯ちゃんとの折り合いが悪く喧嘩が絶えません。その後◯◯ちゃんは頻繁に下痢をするようになり、食後すぐに餌を吐き戻すようなこともしばしば。

e) 動物病院で診てもらったところ、血液検査の結果は白血球数が若干増えている(ただしリンパ球の比率は減少)ことと血糖値とコレステロール値とが高いこと以外は正常。X線検査、超音波検査、心電図検査などでもとくに異常は認められないとのことでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 a)の場合は、慣れない環境に長期間拘束されていたために大脳辺縁系に生じた不安や恐怖などによる心理的ストレスが脳幹・脊髄系の視床下部を介して自律神経系に強い緊張状態をもたらした結果、腸管の収縮運動や分泌機能が異常に亢進しそれが便秘や下痢をひき起こしたものです。◯◯ちゃんは、排便を我慢していたわけではなく腸が痙攣して便が出なくなっていたわけです。

 過敏性腸症候群とも呼ばれるこの状態は出勤途中の駅のトイレに駆け込むサラリーマンなどに多く見られ、人間の心身症ではごく一般的な消化器系の機能異常です。検査しても腸管にガスが多量に貯留している位で特定の病気は認められません。

 このほか極度の心理的ストレスによって出血性胃炎や急性胃潰瘍など、急性の胃粘膜障害が生ずることもあります。

*  *  *  *

 b)の場合は、心理的ストレスが生じたことにより血液中に大量に放出された副腎皮質ホルモンと呼ばれる物質が、◯◯ちゃんの免疫機能を抑制したために体の抵抗力が低下したのが原因です。

 すなわち大脳辺縁系に生じた情動ストレスによって脳幹・脊髄系の視床下部が刺激された結果、内分泌系が作動。最初に視床下部から放出されたホルモンの作用によってその後段階的にホルモン連鎖と呼ばれる様々なホルモンの放出が起こり、そのうちの一つである副腎皮質ホルモンの作用によって免疫機能が抑制されたというわけ。

 免疫機能は生体防御に不可欠なものですが、それが情動ストレスによって機能低下したりアンバランスな状態になると今回のケースのように感染症、アレルギー、癌などの発症や病状悪化、進行につながることも。これは人間の場合ですが、試験前の受験生が風邪をひきやすいという事実もやはり同じ理由によるものです。

 なお今回のようにワクチンを接種していても外からより強い野生型のウイルスが侵入してくると完全予防はできず、未接種の場合より軽いとはいえ症状が出ることがあります。◯◯ちゃんのように、それにストレスが加わればリスクは一層高まりますのでくれぐれもご注意を!

*  *  *  *

 c)の場合は、ペットホテルに預けられたことで激しい不安や恐怖にかられた経験が◯◯ちゃんに心の傷を負わせ、それが消化、受容されきらずに情緒障害として残ってしまったケース。いわゆるトラウマです。それ以来ペットホテルで経験したのと同じような刺激が与えられると大脳辺縁系に不安や恐怖の感情が生じ、それが体を執拗に舐めるという情動行動へと駆り立てたのです。

 元来猫はきれい好きな動物で、健康な状態であればこまめに自分の舌を使って全身をグルーミングします。それが今回のような情緒不安定な状態になるとその回数や時間が異常に増えることがよくあります。その結果執拗に舐め続けた部分は脱毛し皮膚が赤くただれたり発疹ができるなど、いわゆる心因性皮膚炎とか自傷性皮膚炎と呼ばれる状態にまで進むことも。

 これと同じようなケースは犬にも見られます。家人の留守中に自分の足先などを執拗に舐めたり咬んだりし続け、その部分に重度の皮膚炎を起こしたり時には指を離断するはめになるようなケースでは、不安などによる情緒障害が原因となっている場合がよくあります。

 いずれの場合も彼等にとっては自分の体を舐め続ける行動が、私は不安を感じていますというサインであると同時に、結果的にそれが不安を解消する手段にもなっています。したがって不安を与えるものが存在し続ける限りその行動も続くということです。

 さてもう一方の壁などにおしっこをかけるケースですがこれは自分の縄張りを示すマーキングという本能行動のひとつで、とくに雄猫にはしばしば見られるスプレーと呼ばれる行動でしょう。

 しかしこの場合は情緒障害に基づく大脳辺縁系の緊張状態が続いたことにより本能行動の調節機能に乱れが生じ、たまたま縄張り行動のスイッチがオンに入ってしまったために本来の目的とは関係なくその行動が出現したもの。欲求不満が慢性化した場合などにも同じことが起こることがあります。

*  *  *  *

 d)のケースについては、自分の縄張り内にある日突然ほかの猫が出現し喧嘩が頻発してその生活が脅かされるはめに。そのために大脳辺縁系に生じた心理的ストレスが脳幹・脊髄系の視床下部を介して自律神経系に強い緊張状態をもたらした結果、a)の場合と同様に消化器系の機能異常である食物の吐出や下痢などの情動反応が生じたものです。

 このような心理的な機序によって起こる嘔吐は神経性嘔吐と呼ばれますが、とくに神経質な性格の場合には強い情動が生じた時などに反射的に起こることがしばしばあります。

*  *  *  *

 e)の場合は、これに高血圧を加えたものがストレス状態におけるごく一般的な検査所見になります。すなわち白血球増加、リンパ球減少、高血糖、高コレステロール、高血圧はいずれもストレスが生じた場合に必ずといっていいほどに起こる生体の反応です。

 これまで心理的ストレスによる情緒障害が自律神経系や内分泌系さらには免疫系の機能障害や変調、アンバランスなどをひき起こし、それが結果的に様々な臓器や器官の機能異常を招いていると述べてきましたが、ここでのストレス反応もまたそうした結果のひとつと言えます。

 それでは異常ははたしてこれだけでとどまるのでしょうか?

 もしそこでその動物の体の中に特にもろい臓器とか脆弱な器官などが存在した場合、当初はその機能異常だけであったものがストレスの持続によりいずれはそれらの臓器や器官に本格的な障害がもたらされることになります。

 またもしもその動物がすでに何らかの病気に罹患している場合には、自律神経系、内分泌系、免疫系などの機能異常による影響に加え、白血球数増加、リンパ球減少、高血糖、高コレステロール血症、高血圧といった状態もその症状の悪化や進行を促すことになるでしょう。

 いずれの場合も心理的な要因によって身体的な病気の発生や症状の悪化が起こり得るということを示しているわけですが、そのようなことになれば今度は当然その病状に伴う新たな異常所見が出現してくるということになるわけです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 先に挙げた2例の具体的事例に基づき、犬や猫の心の動きがその体や行動にどのような影響を及ぼしているのか説明してきました。はたして心と体の相関関係についてご理解いただけたでしょうか。

最後にその内容をもう一度整理をしてみます。

 

  • 新皮質系を介して取り込まれた外界からの刺激は時として大脳辺縁系に過度の興奮や緊張をもたらし、それが犬や猫の心の動きとなる様々な激しい感情の発現を促していました。
  •  
  • またその感情によって駆り立てられる特有の行動や、時に見られるなんとも不可解な行動を出現させる鍵もやはり同じ大脳辺縁系にありました。
  •  
  • さらに大脳辺縁系の過度の興奮や緊張は隣接する脳幹・脊髄系にも伝わり、そのコントロール下にある自律神経系や内分泌系、さらには免疫系などの機能にしばしば乱れを生じさせていました。
  •  
  • そのため自律神経系や内分泌系によって調節されている各臓器や器官の働きに異変が生じ、それが犬や猫の体に様々な反応を引き起こしていました。 
  •  
  • それらの反応が時として問題行動と結びついたり、自律神経系や内分泌系あるいは免疫系などの機能異常も病気の発生や進行、症状の悪化に関係していました。


 

 このようにして心と体は、大脳辺縁系と脳幹・脊髄系の中でもとりわけその接点の役目をする視床下部の様々な働きにより密接に関係し合っていたわけです。

 したがって犬や猫の病気を診る時には、その背景にあるかもしれない心理的要因による症状の加重までも考慮してその身体症状を判断する必要があることは言うまでもありません。 

 その治療に際しても心理的要因の排除とともに治療中の彼等の心の状態を意識しながら、その動揺を最小限にとどめることで体への影響を極力抑えて行く努力が必要であることも然り。

 だからこそ診療に際しては、

「患者を診ずに病気を診る」ことのないように!

 当院が心身両面からの総体的なケアを診療に際しての重要な柱としてあえて掲げる理由はそこにあるのです。


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