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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.13:毛糸を食べちゃう子猫。


★★相談内容★★

はじめてメールさせていただきます。実は初めて猫のアメリカンショートヘアを飼ったんですが、毛糸の手袋や紐などを食べてしまいます。生後2ヶ月でやってきて今4ヶ月目になります。平日は朝8時から夜8時まで室内でケージにて育てております。完全室内での生活です。

またかなり噛み癖があります。ただじゃれている程度だと思いますが・・・排泄はもんだいないのですが・・かかりつけの病院はありますが・・・。じつはワクチンを間違って3回打ってしまった影響でしょうか?

行動を扱われているとの事でお教え願えたらと思いまして、失礼だとはおもいましたがメールさせていただきました。無理を言いますがご回答お願い致します。



★★助言内容★★

メールにある行動発現の背景には、猫ちゃんの生活環境が多分に影響していると思います。一日の大半を刺激に乏しいケージの中だけで過ごさなければならない状態は、とりわけ環境中の様々な刺激に曝されそれに対応してゆくことで安定した情緒や感受性を育み、猫としての健全な行動様式を確立してゆかなければならない子猫にとってみれば、その機会をほとんど剥奪されているに等しいわけで大いに問題があります。

ましてや生後4ヶ月といえば、好奇心も活動性も極めて旺盛な時期ですから、それが抑圧されればはけ口としてある種偏った行動にそれが振り向けられたとしても不思議ではありません。そういうタイプの行動を転嫁性の行動と言いますが、そのほかにも拘禁(現在の状況はまさにそれと同じようなものです)されたことによるストレスにより、情動反応の一種である常同行動として現れる場合もあります。

日中もケージから出してやり、好き勝手な時に家中を自由に探索できるようにしてやれば、興味の分散化とともに特定の行動にのみ費やされていたエネルギーも分散されますので、特定の対象物への執着は薄らぐでしょう。毛糸の手袋を食べたり人の手を咬むことよりも、もっと好奇心が刺激されることをより多く体験させてあげることです。早くしないと、学習によって現在の行動が固定化されてしまいますよ。ワクチン云々は関係ないでしょう。



★★相談内容★★

お忙しい中、お返事有難うございました。

実は、紐を食べてしまったことでかなり動揺しており、先生のホームページも詳しく読んでいなかったため、解りやすい答えであることに気がつかずにメールをしてしまいお手数をおかけいたしました。その後、自分を猫ちゃんに置き換えたら自然にわかることですよね。ただいろんな本を読んで、どうしても悪いほうに考えてしまうものですから、つい不安になってしまいました。

実は、生き物を飼うのが今まではかわいそうという思いで我慢していたんですが、とうとう我慢出来ずに一緒に暮らすことにしたものですから何でも気になってしまい、冷静さを失っていたと思います。先生に言わせたら猫を飼う資格がないのでしょうね。とにかく共同生活パートナーとして環境をととのえてみます。

ご回答有難うございました。きっといいパートナーになります。