病院ロゴ
病院ロゴ
猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.14:明け方になると鳴き続ける。


★★相談内容★★

7ヵ月程ののら猫を、家の中で飼い始めて1年半になります(メス、避妊してあります)。以来、必ず朝4時〜5時に起きて鳴きます。ふすまは、もうボロボロになりました。犬猫禁止の賃貸住宅に住む為、隣近所への気がねと寝不足で、いつも本当に疲れています。えさは、大体朝と夜に2回あげるのですが、残し気味で、おなかがすいて鳴く様子でもなく、私が一緒に起きると黙っている事が多いです。部屋をしめて寝ると、外に向かってふすまを、ガリガリします。疲れがピークに達すると、ノイローゼのようになり、離すべきかとも思うのですが、情も移り、出来ればこのまま飼いたいのです。うっかり外に逃げられそうになった事も、ありましたが、今は外に対して、臆病な感じで飛び出して行く、ようでもありません。日中、起こしておけば、よいのかもしれませんが、誰もいません。全く、起きない猫もいると聞きます、何か良い方法はないでしょうか?



★★助言内容★★

基本的には猫は夜行性の動物です。もともと獲物となるネズミなどの小動物が餌を求めて活動する夜間は、彼らにとってもその活動の中心となる時間帯であり、とりわけ、それらの獲物が巣に戻り始める明け方は、待ち伏せ型の狩猟を行う猫にとっては捕食のチャンスが増えるため、それに備えて俊敏な体の動きができるよう神経系の活性が最も高まるようになっています。お宅の猫ちゃんが明け方に気分が高揚してよく鳴くのも、おそらくはそういったご先祖から受け継がれてきた遺伝的な記憶によるものでしょう。

ましてや以前は野良猫だったということですので、いまの猫ちゃんの行動は、野生の血のたぎるままに自由な生活を送っていた当時の名残りと思われます。家ネコが昼日中に食餌をとったり活動したりするのは、あくまでも長い間人間に飼育されることにより、次第にその生活パターンに行動を合わせるようになった結果であり、お宅の猫ちゃんの場合は、そういった適応がいまだになされていないといったところでしょう。とくに何代にもわたる野良猫の血筋だった場合、保護された時の年令によっては現在の環境に完全に適応するのは難しいかもしれません。

効果の保証はできませんがひとつの解決法としては、あなたが夜寝る前、猫ちゃんが興味を示すような遊び道具(紐状の猫じゃらしが最適)を用い、激しい動きをさせて相手が疲れ果てるまで毎日遊ばせてみることです。通常、動物が一日に費やすエネルギーは一定で、あらかじめそれが個々の行動ごとに振り分けられていますが、いずれかの行動が充足されないような場合、そのエネルギーがほかの行動に回されるために過剰な行動が出現したり、逆に特定の行動に必要以上にエネルギーを使ってしまうと、エネルギ−不足でほかの行動が抑制されるということがあります。これを利用して、おもちゃ遊びに最大限のエネルギーを使わせることで、明け方の行動に向けられているエネルギーを枯渇させようというわけです。まずはお試しあれ。