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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.18:同居猫の死後鳴き続けている。


★★相談内容★★

こんにちは、ホームページで見つけた獣医さんに相談したら、こちらを紹介されたので、お願いしたいのですが。最近15年連れ添った三毛猫が死にました。 その夜からもう1匹の猫(××といいます。)が夕方から夜11時頃までスゴ〜イ声(ニャウアー、ニャウニャー、)ケンカしている時のような声(もっとすごいかも)で、なくのです。

家と外自由にしてるのですが、外に出たがり出すと、大声で泣き、家でも大泣きです。朝も4時半頃から泣いて先日母が血圧が上がり、睡眠不足で吐きダウンしてしまいました。近所迷惑を考えてどうしたら良いのか困っております。

過去の病歴は、尿毒症、喧嘩キズ、ぐらいです(歯に、歯石がついてます。最近調べて)。食事は、サイエンスダイエット(シニア)、ミオドライ(シニア)、ゲイン(シニア)時々カンズメ(シニア)です。

去勢したにもかかわらず、立ったままオシッコする事もあります(いぜんから)。すでに1ヶ月この状態が続いています。お疲れの所申し訳ありませんが、宜しくお願い致します。お返事お待ちしております。



★★助言内容★★

可愛がっていたペットの死によってもたらされた、強烈なストレスに起因する精神的ダメージから容易に立ち直れず、強い情緒的障害や身体的障害を来たす、いわゆるペットロスに陥る飼主が増えていますが、犬や猫にも動物版ペットロスともいえる似たようなケースが存在します。

すなわち、仲間の犬や猫の死後、あたかも悲嘆にくれているかのように食餌をとらなくなったり、明らかに情緒不安定な行動を示すようになるといったもので、三毛猫ちゃんの死んだあと、一見意味もなく鳴き続けるようになったお宅の××ちゃんのケースも、それであろうと思われます。

このような場合、ことさら愛着の強かった相手が、ある日唐突に自分の前から姿を消してしまうという日常性の突然の変化や、突如仲間を失ったことによる不安や混乱といった心の動揺が、その原因と考えられます。

人間の場合は、相手の死を既成の事実としてとらえ、それとの関係が終わったことを認識するとともに、喪失によって引き起こされた悲しみなどの感情を、あえて抑え込もうとせずに体験し尽くすといった、心理的対処(コーピング)の方法を学ぶことで、ペットロスに伴うストレスを意識的に乗り越えることも可能ですが、精神構造の異なる彼らには、それは望むべくもありません。

ただし、一般には相手のいない状態が時間の経過とともに日常化すれば、彼らは始めからそうであったかのように認識するようになり、自然と当初のストレス状態は解消され、問題となっている行動も消滅します。そうなるまでにどれくらいの時間を要するかは、個々の性格や相手に対する愛着の強さにもよるでしょう。

そこまで待ってはいられないので、積極的に何かをしたいというのであれば、人間の場合には決して望ましい方法ではないのですが、彼らの意識を、日頃好んでする何かほかのことに向かわせるようにして、現在の心の有り様を、不安にかられた状態から心地よい状態に置き換えさせてしまうという方法があります。のってくるようであれば、頻繁に遊びをけしかけるなどもそのひとつです。

そのほかにも、残されたのがまだ若い猫であれば、新たに子猫を家に迎えてやることで問題が解決できる場合もありますが、年をとった猫の場合には、かえって逆効果になることのほうが多いので、無条件にはお薦めしません。