はじめまして。今朝ほど、ほかの動物病院のHPで猫の問題行動について質問したところ、こちらを紹介して頂きました。よろしくお願いします。
1歳10ヶ月のメスのメインクーン「××」についてお伺いします。生後8ヶ月ぐらいから布団などのやわらかい所におしっこをするようになり、匂いもかなりきつくそれが妊娠するまで続いたのでマーキングではないかと思っておりました。
10月に出産し、授乳中はしなくなっていたのですが、また授乳が終わる暮れあたりからするようになってしまい、1月に避妊の手術をしてからもなおらず、ここ4〜5日は毎日するので困っております。匂いは以前のように臭くはありません。
現在、4匹生まれた子猫の内の2匹と、もう1匹の先住のメス(3歳、避妊済み)の合計4匹が居ります。先住猫は生まれた家で、小さい時から庭に出していたので外へ出たがって室内飼いを諦めてしまったのですが、後の3匹は室内飼いをしています。
そのせいもあるのか、××は外に出たがって何度も逃げ出した事があります。最近、外へ出られない事がかなりストレスになっている様で、しょっちゅう家の中を動物園のおりの中の動物のようにウロウロ歩き回ります。
それが原因かとも思い、ベランダに出したり、気を紛らわす為にひもでじゃらしたり色々試してはいるのですが、土の上で遊びたいようでベランダでは満足できず、ひもでじゃらしても子猫達が一緒にじゃれるとやめてしまいます。
今日は窓から外を見ている時、子猫達が来て外が見えなくなってしまったら、本気で唸って子猫を攻撃していました。だんだんエスカレートしていくようで心配です。どの様にしたらストレスを少なくして、おしっこをしなくなるでしょうか。よろしくご指導お願い致します。
猫における尿マーキングは、成長した去勢していない猫に普通に見られる自分の縄張り内で自己の存在を主張するための主として性的な意味をもった行動です。しかし、時として猫に極めて強い欲求不満などのストレスを生じさせるような環境下では、去勢した猫でもそれを行うことがあります。
お宅の猫ちゃん達がおかれている生活環境について詳しくはわかりませんので推測の域をでませんが、猫ちゃん達がいつも外を見ている窓から周囲を徘徊する猫の姿などが見えるようですとそれが強い刺激となり、情動反応としてのマーキング行動をひき起こしている可能性があります。
子猫達に対する八つ当たり攻撃と思しき攻撃行動も、おそらくは外の猫に直接接触できないがための欲求不満から生じた転嫁行動と思われます。今まで何度となく戸外へ脱走した前科があるようですが、刺激に富んだ魅力的な外の世界を経験していることから当然その世界への渇望は強く、窓越しにそれを見ることしかできない状況も猫ちゃんにはかなりの欲求不満を生じさせているはずです。
さらには先住猫だけが自由に外との出入りが許されているとすれば、帰還するたびに外の匂いを付けてくるわけですからそれも強い刺激となります。部屋の中をウロウロするのも、欲求不満により生じた転位行動もしくは常同行動と思われます。
いずれにしても、その場合はマーキングの原因となっている猫ちゃんの欲求不満とそれを増幅させている一連の刺激を取り除かない限り、問題行動は一向に解消されないばかりかさらにエスカレートする恐れがあります。したがって、
◯窓をマスキングして外を見れないようにする。◯今後は、先住猫を外出させないようにする。◯家族は外でほかの猫に触ったりしても、その匂いをつけたまま家には入らないようにする。◯猫が外の世界よりも刺激的と感ずるような遊びに、相手が疲れるまでつき合ってやることを毎日のルチンワークとする。
といったことなどをとりあえず試みてはいかがでしょうか。
なお、布団などは洗っても匂いは完全には取りきれずそれが排尿を誘発するうえに、足裏の布団の感触と排尿行為とが条件づけられてしまっている可能性もありますので、出しっ放しにはせず必ず片付けておくことです。
先日は大変ご丁寧な回答ありがとうございました。やはり、いろいろな行動はストレスが原因だったんですね。大変よく分りました。
メールを差し上げてから、自分なりにいろいろ試してみました。ウロウロ歩き始めたら声をかけて、出来るだけかまってあげるようにしていたら、以前は声が聞こえていない様に一心に歩いていたのが、近寄ってゴロゴロ言うようになって来ました。
又、玄関のドアを開けた時、飛び出して行くのを今までは止めていたのに、出してあげるようにしたら、遠くへは行かずにしばらく外階段でゴロゴロ転がって遊んで、結構満足そうにしています。
先住猫も、ここのところ家で寝ている事が多く、その事もあり、今のところだいぶ気持ちが落ち着いているようです。マーキングも、メールを頂いて、床に置いてあったクッションやひざ掛けなどを、全部片付けてしまってからはしていないのでホッとしています。
教えて頂いた原因を全部取り除く事はなかなか難しそうですが、出来ない分は、なるべく気がまぎれるように工夫して、何とかストレスがたまらないようにしてあげたいと思います。本当にどうもありがとうございました。