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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.25:8ヶ月の雌猫の咬みぐせがひどい。


★★相談内容★★

ペットショップから購入した猫(生後8ヶ月の雌のアビシニアン)の咬みぐせに大変困っております。なんでもないときに急にガブッと足の甲や手首に飛びかかって咬みつきます。叱ると興奮するので「痛い!」とだけ言って叩いたりはしていません。血が出るくらい強くかむので足元と手首はつねに洋服でガードしていなければなりません。

生後5ヶ月頃までペットショップにいたという事と、まだうちに来て2ヶ月位のためか、全く懐いてくれません。食事をしているとき以外は触られるのが大嫌いで、もちろん抱っこも大嫌いなので手入れをするのが大変です。ただ私の行くところにはどこにでもついてきたりします。

一人暮らしで日中留守にしているので、外出中と夜寝る時は大きめのケージに入ってもらっていますが、毎日十分遊んであげているつもりです。ケージの中ではとてもリラックス出来ているようで、外から手を入れて撫でるととても喜びます。

もう少し様子をみようかとも思いますが、早い時期に指導を受けた方が良いでしょうか?長々とすみませんがご回答宜しくお願いいたします。



★★助言内容★★

ペットショップから購入された猫ちゃんには、おたくの猫ちゃんに見られるような問題行動が非常に多く見られますが、それにはペットショップが入手する猫ちゃんのほとんどすべてが離乳して間もない子猫であることが関係しています。

すなわち子猫は、一緒に生まれた兄弟姉妹とじゃれて咬み合ったりする遊びを通じ、獲物を捕食する肉食獣特有の行動様式などを疑似体験しながら成長しますが、その際には遊びの相手をひどく傷つけたりしないよう手加減するといった社会関係なども同時に学びます。

ところがペットショップで売られている猫達は、こうした同じ年頃の仲間との社会的な遊びを体験しないうちに親兄弟から離され売りに出されてしまっているため、他者への愛着や社会行動が十分に形成されていません。

おたくの猫ちゃんの場合も、状況から考えてその可能性が高いのではないかと思われ、加えて生得的に自己主張の強い性格の猫ちゃんの場合には、今回のような不都合な行動に一層拍車が掛かることがありそれも疑われます。

このようなケースでは、時間をかけて少しづつ猫ちゃんの激しすぎる行動を許容できるところまで修正していきながら、その中で双方が折り合いのつく相互関係を模索していくしかありません。

行動修正は行動変換代入法や逆条件付けといった行動療法を適宜用いて行いますが、その開始が遅れると猫ちゃんが今以上に望ましくない学習をしてしまい不都合な事態がさらに拡大することがありますのでご注意ください。

なお行動修正を行う前提として、猫ちゃんには安定した情緒が育まれる豊かな刺激に富んだ生活環境が必要です。お気に入りの寝床として自由に出入りできるようにするのはいいとしても、1日の大半をペットショップの店頭と変わらない刺激に乏しいケージの中だけで生活させるのは避けるべきです。