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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.36:飼主と同居猫への威嚇攻撃


★★相談内容★★

初めまして。飼い猫についてご相談させてください。相談内容は「◯◯が人にもXXにもおしっこしながら威嚇して攻撃するようになった」です。一軒家2階建て家族は母、父、兄、私の四人で全員成人。◯◯4歳アメショメス。XX10ヶ月アメショメス。普段の2匹は互いを舐めあったり、じゃれあいで追いかけたり至近距離で眠ったりと飼い主から見た限り友好な関係。

28日の深夜、突然◯◯が大声で悲鳴を上げながら私の部屋を駆け回りました。寝てた私が目を覚ますと、XXも近くにいたので、おそらく直前まで二人でじゃれあい(追いかけっこ)をしていたのではないかと思われます。そこから部屋の外の廊下に出て、逃げるXXをシャーシャー言いながら追いかけました。ひとまずXXを捕獲して違う部屋に隔離。

たまに◯◯がXXにそういった行動はあったものの、おしっこまでするのは数ヶ月前の一度だけでした。そのときはその行動日にたまたまXXが避妊手術で泊まりになり、XXが一泊して帰れば◯◯も落ち着いていました。しかし今回は◯◯は私たち人間にもシャー!っと威嚇して近づけば攻撃に出ました。人間に対しての威嚇もたまにあるのですが、それは一過性であり、一時間もほっておけば治りました。私たちの考えでは「気づかぬうちに人間がそばにいて驚いて怒っている」のだと思っていました。おしっこつきの威嚇は二年ほど前に少しひどいのがありましたが、それも一日程度◯◯を好きにさせれば落ち着きました。

29日は一日XXを隔離、◯◯を好きにさせてました。落ち着いてる間はいいのですが、やはり人間が近づくと一瞬でしゃー!となり、低く伏せをしたような体制になります。そしてほぼ毎回おしっこを漏らします。ただ、「人間が自分の目線より下にいる状態」だと問題ないみたいです。というのも私がベッドで横になっていると顔のそばに来てすりすりし、そのまま眠ります。また、私の部屋にネコのはしごで登れる2Mほどのタンスがあり、そこにいる間は誰が部屋をうろうろしてても気にならないようです。それが、私がベッドで体を起こすと途端にまた威嚇が始まります。なのでおそらく自分の目線より上に来た時点で恐怖なり怒りなりがあるのかと…

時系列を整理すると、28日深夜に威嚇開始。29日夜までXXを隔離。◯◯はXXの隔離場所以外、自由に家の中を動ける。夜からはためしにと◯◯を風呂場に隔離。XXは◯◯の隔離場所以外、自由に家の中を動ける。30日今日朝の時点で改善なし。◯◯の隔離場所を風呂場から空き部屋に移動。XXは◯◯の隔離場所以外、自由に家の中を動ける。

このような状況で、隔離するのかしないのか、するなら◯◯かXXどっちなのか。どのような隔離をしたらいいのかなどを教えてご相談できればと思います。私の家でできる隔離は・空いてる部屋での隔離・空いてる部屋にさらに簡易ケージを使っての隔離です。ケージは下記URLのもので猫餌とトイレと寝床がギリギリ入る大きさです。 https://store.shopping.yahoo.co.jp/soukai/4580471860380.html 空いている部屋がひとつしかないのでそれぞれのネコを隔離するというのは難しいです。夜のみなら風呂場に◯◯、空き部屋にXX、などの隔離は可能です。

今までは◯◯が威嚇した場合でも隔離せずに解決できていたので、とても困っています。特に◯◯の精神的疲労が大きそうで少しでも早く落ち着かせてあげたいです。威嚇開始後から今までも二匹ともしっかり食欲はあります。なので威嚇していても、ネコ餌(カリカリ)を見せて餌付けすれば少し落ち着きを取り戻して食べてくれます。しかし、食べおわったらまた威嚇に戻ります。威嚇のため貌の横で寝てるときとタンスに登ってるとき以外、抱っこどころか撫でることもできません。どうしたらいいでしょうか…何かアドバイスいただけましたらと思います。よろしくお願いします。



★★助言内容★★

問診によって得られた詳細な情報を分析評価したうえでの診断結果に基づくものではないので断定はできませんが、当方の印象としては今回の飼主の方や同居猫への攻撃行動は、地位に関連した自己主張性の攻撃行動である可能性が高いように思われます。

猫の場合は通常2〜4歳で社会的成熟期を迎えるため、この頃から往々にして自己主張や支配欲が強まることでほかの猫との地位をめぐる闘争が起こったり、飼主をコントロールしようとする傾向が強く現れたりします。それは周りの社会環境に対する猫の見方が変わったためですが、多くの飼主はなぜ猫が変わったのか理解できず困惑することになります。

今回の猫さんの年齢もその社会的成熟期に当たる4歳であること。加えてこれまでにもこれといった理由が見当たらない状況での飼主に対する威嚇行動や、かと思えばスリスリして甘えるような素振りをみせるなど、明らかに猫の側が飼主や状況を巧みに操ろうとしているふしが見受けられることからすると、今回の猫さんの一連の行動はやはり自己主張性の攻撃行動である疑いが深まります。

なお、相手の目線が自分の目線より上にあると威嚇してくる点については、見下ろされることで猫さんが威圧されているように感じ、それを自分に対する挑戦と受け取ってしまうからかも知れません。また威嚇する際に排尿を伴う点についても、それを恐怖などによる情動反応と考えてしまうと説明が付け難くなりますが、自己主張が嵩じた結果のマーキング行動と考えれば納得はできます。

仮にそのような地位に関連した自己主張性の攻撃行動であった場合、それが今回のように飼主と同居の猫に対して向けられたケースについてはそれぞれで対応が異なってきます。猫への攻撃行動に対しては両者を隔離したうえで脱感作といった行動療法を試みるのが一般的であり、飼主への攻撃行動に対しては人が猫にコントロールされる状況から人が猫をコントロールする状況へと両者の交流の仕方を根底から変えていく必要があります。

ただし、それらを具体的に進める方法については当院を受診された際に処方させていただくものですのでここでは言及できません。相談に対する回答は、問診によって詳細な情報を得たうえでの正式な診断に基づくものではないため、あくまでも一般論ということでご理解いただいておりますので悪しからずご了承ください。



★★相談内容★★

詳しいご説明、ありがとうございます!!自己主張…考えてもなかったです。確かに威嚇したり、甘えたりと振り回されております…。

今は部屋に隔離してずいぶんましになりました!もう少し様子を見てみます。ありがとうございます!