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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.38:地震速報のアラーム音で突然凶暴化


★★相談内容★★

飼い猫が突然凶暴化してしまいました。どうかアドバイス頂きたくお願い致します。猫は6歳オス去勢済みのアビシニアンです。家族は私、妻、猫の三人暮らしです。凶暴化のきっかけは携帯電話の地震速報のアラームが鳴りビックリしたことがきっかけです。以前からアラームが鳴ると驚いたようなリアクションをしてましたが、今回は電話三台が同時に間近で鳴った為パニックを起こしたようです。まず私の腕に噛みつき、その後妻を攻撃し、今は近寄ると威嚇してくる状況です。『近づくな! と言っている感じです。』現状猫はリビングを専有しており入口のドアを閉めて隔離しています。ご飯、水は様子を見てドアをそっと開けて入れております。食べています。トイレは先程新しい物をドアの近くに置きましたがまだ使用してないようです。元々設置してあるトイレにしてあるかは分かりません。避難している部屋とリビングはベランダが繋がっているのでたまにベランダ越しに見に行きますがベランダから見る分には威嚇しません。普段開けないので入ってくる恐れが無いと思っているのだと思います。ドアに近づく若しくはドアを開けると唸って威嚇します(ドアが一部ガラスでお互い見えます)。近所の動物病院で精神安定剤を貰い、翌日の夕食分から食べさせています。完食しています。対処方法がありましたらアドバイス頂きたくお願い致します。完全に目も会わせずそっとしておくのが良いのか、あるいは多少名前を呼んであげる等コミュニケーションを取った方がいいでしょうか? アドバイス頂けませんでしょうか。宜しくお願い致します。



★★助言内容★★

地震速報のアラームが鳴った直後の攻撃行動については、まったく予見できない原因によって突然驚かされた猫さんの、その原因が何かわからず持って行きどころのない怒りの矛先が、故意にではなく無意識のうちにたまたまそばに居合わせたご主人と奥さんに向けられてしまった、いわゆる転嫁性の攻撃行動の可能性が高いと思われます。

普通このような短期記憶は、猫さんの高揚状態が鎮まれば消えてしまうものなのでこのタイプの攻撃行動が後を引くことはないのですが、お二人に対していつまでも威嚇や攻撃行動が続くようですと、その行動には明らかな意図が感じられるためほかの要素が絡んでいる可能性を否定できません。

例えば、非常に臆病で神経質な猫の場合、恐怖のあまり前後の判断がつかないまま、そばにいたお二人がいきなり自分を恐怖に陥れたと勘違いしてしまい、いつまたそれをされるかも知れないという警戒心から威嚇が続いているケース。あるいは、支配性や自己主張の強い猫の場合、お二人がいきなり自分を驚かせるようなことをして自分に挑戦してきたと勘違いしてしまい、それへの対抗心から威嚇が続いているケースなどが考えられます。

いずれにせよ、不測の事態を避けるためにとりあえず猫さんは隔離し、その間は出来る限り無用の刺激を与えないためにも猫さんとは交流しない(触らない、目を合わさない、声をかけないなど)ようにし、餌やりやトイレの始末は機械的に済ませます。そのほかにも大きな音を立てないなどの配慮も必要です。

なお、それで数日様子を見ながら頃合いを見計らって交流をしてみて、まだ猫さんに威嚇や攻撃する素振りが見られたりそれが悪化しているようですと、転嫁性攻撃行動だけではない先に述べたようなほかの要因が関与している可能性が濃厚になります。その場合は行動治療が必要となるかも知れません。



★★相談内容★★

早急に返信頂きありがとうございます。2日経ち、猫も一時期よりは落ち着いて来たように思います。ありがとうございました。