初めまして。愛猫の凶暴化のことで相談させて頂きたいと思い、メールを送らせてもらいました。もうすぐ4歳のオスのブリティッシュショートヘア(去勢済)なんですが、3年ほど前に初めて私の足に襲いかかったのが始まりです。
その時は一緒に飼っているもう1匹の猫がひもに絡まってパニックになっていたので、ひもをはずそうとした私に襲いかかりました。そこからしばらくは半年に1回くらいのペースで、きっかけはすべて もう1匹の猫が高いところから落ちたなど、必ずもう1匹の猫に何かあったときだけでした。
しかしここ半年ほど娘がこけた、クッションが落ちたなど、ちょっとしたことで凶暴化する頻度が増しました。1番最近に至っては2日連続で凶暴化し、そのうちの1日は何も心当たりがない状況での突然の凶暴化でした。
その日から身の危険を感じ、主人が家に居ないときは別部屋に入れて、主人が家に居るときは今まで通りすべての部屋を行き来出来るようにしてみています。
いずれも主人が居ないときに凶暴化し、標的は私のみです。これからも生涯一緒に暮らしたいと思っているので、どうしたらいいのかご相談させて頂きました。お忙しい中お手数ですが、どうかアドバイスをよろしくお願いいたします。
これまでの猫さんの突然の凶暴化は、いずれも同居猫や娘さんの身に起こった偶発的な出来事にひどく驚かされたことによる怒りや恐怖などの情動が原因で攻撃的になってしまった猫さんが、たまたまそばに居合わせて何らかのリアクションを示したあなたに対してその矛先を向けてしまった八つ当たり的な行動の可能性が高いように思われます。
それは転嫁性攻撃行動というものでその場合あなたはいわば巻き添えを食ってしまった訳ですが、当然猫さんを驚かせる出来事が起きた際にその場に居合わせなければ巻き添えは食いようがないので、ご主人が攻撃対象になっていないのはそのためでしょう。ただし、転嫁性攻撃行動はいわば八つ当たり行動ですからそれは次のような理由で後日起こることもあり、そのためご主人も決して安心はできません。
通常このタイプの攻撃行動は、猫さんに攻撃的な情動を生じさせた出来事から一定の時間が経過して猫さんが平静を取り戻せば攻撃は終息します。とは言え、猫さんの当初の興奮が収まらず高揚状態が続いている限り再び八つ当たりされる危険性がありますので、その間は猫さんは別室などに隔離して一切交流せず「触らぬ神に祟りなし」を地で行く必要があります。
ただし、ひとつ言えることは転嫁性攻撃行動の場合その攻撃は偶発的かつ無差別的であり、意図的に特定の相手だけを狙って攻撃するということはありません。したがって、今回あなただけが猫さんの標的にされているのがいつも身近にいるために八つ当たりされ易いということではなく、明らかに何らかの理由で猫さんがあなたを意図的に攻撃しているからだとすれば、上述した転嫁性攻撃行動の可能性は極めて低くなります。
なお、特定の相手に対する意図的な攻撃行動ということになると様々なケースが想定されそのタイプごとに対応の仕方も変わってきます。残念ながら今回のご相談内容にある情報だけでは、猫さんの日頃の行動パターンやあなたとの関係を含め問題行動の背景を探る手掛かりが一切ないためこれ以上のアドバイスは困難です。
今後猫さんが凶暴化する頻度が高まるなど状況がさらに悪化するようであれば、行動治療を前提に改めてカウンセリングを受けていただく必要があると思いますのでご検討ください。