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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.52:初めて見るモップに過剰反応し飼主を攻撃


★★相談内容★★

初めまして。猫の問題行動に困っています。2007年9月30日生まれの11歳のオスのアビシニアン去勢済み。3ヶ月前からステロイドと気管支拡張剤で喘息の治療を継続中、ステロイドは1.5日に1/4錠/気管支拡張剤は朝晩1/4錠づつです。

昨日の16時くらいに新しいダスキンのモップ(初めて使う)を見た途端モップに攻撃と飼い主にも攻撃をするようになってしまいました。飼い主が少しでも動くとパニック状態になり失禁脱糞(今まで病院でしかしなかった)をしてしまいます。パニック状態になった時は飼い主の足に本気の猫パンチとシャーシャーを通り越して猛獣の唸り声のような声で攻撃してきます。

飼い主が動かなければ近づいてきていつも通り隣で寝たり、腕枕でうとうともします。ご飯は食べています。常備薬も飲みます。おやつも食べます。元々が大人しい猫だったのでどうしたらいいのかわかりません。喘息のお薬を出してもらっている病院へ相談したところ、フェノバールを朝晩二回飲ませて様子をみましょうと言われました。

今は寝室に隔離をしていますが、少しドアに近づくと中で唸っています。どうしたらいいのかわからないので診察なり往診なりが必要であれば受けたいです。よろしくお願いします。



★★助言内容★★

ご相談いただいた攻撃行動は、平穏な日常に突然出現した得体の知れないもの(見たことのないモップ)に驚愕させられた猫さんが、それによって生じた恐怖や怒りなどの情動が原因で攻撃的になり、たまたまそばにいたあなたに対してその矛先を向けてしまったためかも知れません。

そのような八つ当たり的な攻撃を転嫁性攻撃行動と言いますが、びっくりした時など自律神経が過剰なまでに緊張し高揚状態に陥りやすい猫に多く見られる攻撃行動で、今回見られた失禁や脱糞はそれが原因の自律神経反応でしょう。

なお、今回のケースについては上述したような理由から一応は転嫁性攻撃行動を疑ってみてはいますが、ご相談内容にはその時の状況だけしか情報がないためそれはごく限られた手掛かりに基づく考察の域を出ず、それによって別のタイプの攻撃行動である可能性が否定された訳ではありません。

したがって、猫さんの突然の凶暴化の原因を徹底解明するとともにそれに見合った行動療法による適切な対応や再発の防止を図るためには、改めて飼主さんに対する詳細な問診に基づくカウンセリングを受けていただく必要があります。

受診をご希望であれば、当院ウェブサイトの診療案内ページにある診療予約フォームからお申込みください。その際ご希望の受診日時をお書き添えください。

それまでの間、猫さんの凶暴化の際の興奮状態が収まらず唸ったり威嚇したりその他少しでも不穏な様子が見られる場合は、別室やケージに隔離して要らぬ刺激を与えないようにするため一切の交流(顔を見る、声を掛ける、体に触る)を断ちます。餌、水、トイレは入口付近に置いて給餌や給水、トイレ掃除は機械的に済ませます。