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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.61:一時的に保護した他の猫の気配でパニックに。


★★相談内容★★

はじめまして。猫の突然の異常な怖がりについて相談させてください。我が家では野良だった子猫を二匹飼っております。一匹は六歳になるオス猫です。今回相談させて頂きたいのは二匹目の猫です。二匹目は一歳のオス猫で昨年6月に自宅付近で交通事故にあった子猫を助けました。本当にもうダメだろうと思える状態でしたが、先生の懸命な処置のお陰で一命を取り止め我が家へと迎え入れることができました。しかし目が見えていないとゆう状態です。これまで一年間本当に奇跡的な回復を見せ怪我の影響か歩き方がおかしい、目が見えない以外は人懐っこく家族以外の人間がいても動じない猫です。排泄の後は興奮するのか家の中を走り回ったりする行動は見られました。

問題は昨日勤め先に子猫が迷いこみ工場の中から出て行かず怯えて逃げ周り、オイルやダストなどで真っ黒になってしまいこのままではまずいと思いシャンプーさせるために自宅に連れて行きました。初めて聞く先住猫以外の鳴き声に二匹目の猫がビクビクしておりました。このままではまずいと思い汚れた猫は綺麗にしてあげた後実家で保護してもらいました。ビクビクしていると先住猫がいつもどうりジャレついた瞬間にシャーと家に来てから初めて威嚇し走り周りました。その後は少しの事でシャーと威嚇し走り回ります。夜は私のベットの足元に来ていつもと同じように寝ました。

これで安心かと思いましたが、朝起きたら少しの音でビクビクし威嚇走り回る。得体の知れないものから逃げる恐怖のようです。ビクビクしながらウロウロしびっくりしては、また逃げるの繰り返します。今では私たち人間が近寄っても威嚇し、近寄れません。目が見えない中での恐怖は計り知れないと思います。かかりつけ医にも相談させて頂きましたが、安定剤をエサにを入れてケージの中で安心できるまで時間がかかるかも知れないが待ちましょうとの事でした。

先生のことは信用もしておりますし、私もそれしかできない状態です。しかし私たちの初動のミスでせっかく一命を取り止め家族の一員になってくれた子がずっとこのままの状態が続くなど発作的なことにならないよう色々な意見を聞きたく相談させていただきます。長文で言葉足らずで大変申し訳ないですがお力を貸して頂ければ幸いです。どうかよろしくお願い致します。



★★助言内容★★

安心安全に暮らしていた生活環境中にある日突然知らない猫がいきなり出現したことに強く反応し、恐怖や不安などから精神的な高揚状態に陥ってしまったのでしょうね。今回の猫さんの場合、視覚による情報が得られないというハンデがあるため、状況を即座にかつ充分に把握することが出来ず恐慌を来したのかも知れません。

その場合、現在すでに対応されている方法で概ね問題ないと思います。すなわち、向精神薬の一種である抗不安薬などいわゆる精神安定剤をしばらく服用させるとともに、ケージや猫さんが恐怖を感じればすぐに逃げ込めるような、もしくは安全と思えるまで身を潜めていられるような場所(例えばベッドの下や押入れの中など)のある部屋を用意し、当面はそれらに餌とトイレを置いて生活させるようにするのがいいでしょうね。その際にケージを置いたり直接隔離する部屋としては、一時保護した子猫の匂いが残っていそうな部屋や、隠れるところのないだだっ広い部屋は避けなければいけません。

なお、それをしている間も猫さんの緊張や興奮が収まらず他者に対して威嚇したりするようであれば、要らぬ刺激を与えないため猫さんとは一切交流(声をかける、体に触れるなど)しないようにし、給餌やトイレ掃除などの世話は機械的に行うようにします。

その後、猫さんの高揚状態が収まって落ち着きを取り戻した頃を見計らって隔離していた部屋の扉を開け、猫さん自身が安全と思えるようであれば自分の意思で自由に出て行けるようにしてあげます。要は、生活環境が以前と変わらず安心できるものであることを猫さん自らが確認し、それによって平静さを取り戻すのを無理強いはせず焦らず気長に待ってあげるということです。



★★相談内容★★

早速のお返事ありがとうございました。読ませていただきとても心強く安心することができました。本当にありがとうございます。

昨晩は私達の2階寝室に隠れておりましたので、部屋を明け渡し寝室にはケージにトイレ、エサを、入れておきました。私達家族は1階リビングにて寝ました。猫は朝方降りてきていつものトイレで排泄をし、いつもの場所でエサを食べリビングに敷いた妻の布団まで来ることができました。寝室に入れたジルケーンを混ぜたエサは食べてもらえませんでした。おそらくケージにも入ってはおりません。妻の近くまで来たときにジルケーンを混ぜたちゅーるを食べてくれ妻の足元をすりすりして来たそうです。しかし私には近くまで来てくれますが少し動くだけで威嚇されます。家族にもまだ威嚇します。本日は家の中が安全だとわかるまでウロウロすると思い、またトイレは決まった場所でしかしないのでないかと不安に思い部屋の扉は開けて仕事へと出かけました。以前リビングのブラインドタイプのカーテンに足が引っかかり暴れ血だらけになったことがあったのでパニック時がとても心配です。そのカーテンはその後、紐のない通常のカーテンへと交換しました。パニック時のケージでの事故の話も聞きます。寝室を締め切るのがいいのかケージに閉じ込めるのがいいのか家に自由にするのがいいのかその子じゃないと正解はわからないとは思いますが助言いただけないでしょうか?交通事故のため死にかけた子をこれ以上の不幸のないよう時間がかかっても私達家族の愛情が伝わるよう誠心誠意接していきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。



★★助言内容★★

今回恐怖を感じて逃げ回った末に寝室に隠れていたということですので、猫さんとしてもそこがとりあえず安心できる場所であると認識できているはずです。であれば当面はその部屋だけで生活させてあげた方が、猫さんのためには望ましいでしょうね。トイレ砂などは新しいものに取り替えてしまわず、あえて排泄物の匂いが残っているものをそのまま使います。なおケージの場合は、何かで恐怖を感じた際に逃げようとしても狭くて逃げ場がないため、猫さんの場合は過去のカーテン事例からみてもそれだけでパニックを起こしかねませんので、今回のケースでは避けた方がいいと思います。



★★相談内容★★

度々のお返事ありがとうございます。時間とともに日に日に私達との距離を近づけてくれています。先住猫ともトラブルなく会うことも出来ました。やはり人間が留守の時間が多い生活ですので、常に不安は残ります。仕事が終わり玄関のドア開け、中を確認するのが怖いですが、出来る限りのトラブルを予測し対処するようにして参りたいと思います。元の彼に戻れるよう、また同じような事が起きないようにしていきたいと思います。この度は本当にありがとうございました。すごく救われました。近ければ是非直接お礼をと思いますがなかなか行ける距離ではなくメールでのお礼をお許しください。ありがとうございました。