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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.63:脱走後確保する際に興奮状態になった猫の扱い。


★★相談内容★★

10月に6歳になるノルウェージャンの雄猫です。我が家は団地なのですが、先週の日曜日に網戸をずらしてしまい、隣のベランダに脱走してしまいました。主人が迎えに行きましたが、逃げるようにベランダから戻ってきたので、私が気をそらせながら家にいれようとしたのですが、うまくいかず、無理やり押さえつけるかたちになってしまいました。その場では、噛みつかれながらもキャリーバックにいれて、その後ゲージに確保しました。その時にかなり長い時間押さえつけていて、おしっことうんちを漏らしていました。

今は少しづつ落ち着いてきてはいますが、もともと臆病なところがあり、毎年、私か主人が流血するような攻撃をされています。現在もちょっとしたことで唸ったり、威嚇したりします。このまま、ゲージにいれておいて落ち着くのを待ったほうがよいでしょうか?それとも、行動範囲を広げてあげて自由にしたほうがよいでしょうか?ゲージのサイズは子猫の時のゲージなのでかなり狭く、ほぼ動き回れません。よろしくお願いいたします。



★★助言内容★★

原因が何であれ猫が興奮状態に陥っている時には、その気分の高揚が収まるまでは一切干渉せずに放っておくのが鉄則です。そのような状況で接触したりするとそれが余計な刺激となってしまい、さらなる興奮を招くことで転嫁性攻撃行動などを誘発してしまう危険性が高まります。

今回のケースでも、著しい精神的緊張を示す失禁や脱糞といった自律神経反応が見られるほどですので、その興奮のレベルは推して知るべしです。これまで何度か起きているあなたとご主人への攻撃行動については、それがどのようなものかは定かではありませんが、今回の反応と何らかの関係があるかもしれません。

いずれにせよ今回のように猫さんが一旦興奮状態に陥ってしまったら、当面は声をかけず顔を見ず体に触れないようにして完全に交流を断ちます。それでも攻撃される恐れがある時は、ケージや別室に猫さんだけ隔離します。一般に興奮した猫を落ち着かせる場合、あえて暗くて狭い場所に入れてそっとしておくのが望ましいとされるのは、それが猫にとってみれば安全が担保された隠れ家のような心安らぐ環境だからです。

とは言っても食器やトイレを入れておけないような小さすぎるケージでは、一日程度ならいいとしても何日間もの隔離は無理ですね。そのようなケージの場合は、一日ほど経ってその時点で興奮が収まっていなくても外に出してあげるしかありませんが、自由にさせた後も猫さんに少しでも緊張している様子が見られる間は、密に接触したり交流することは避ける必要があります。さらにそれをしていても、お二人に対し威嚇攻撃といった行動反応が出てしまうようであれば、即座に別室に隔離するしかありません。