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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.65:ブラッシングや爪切りの後家族を威嚇し始めた。


★★相談内容★★

ノルウェージャンキャット、9ヶ月、メス猫の事で相談させてください!7ヶ月頃に避妊手術済み。

1度目はブラッシングを終えた後、急に威嚇し始め、攻撃はしてこないものの、シャー、ヴゥゥーと鳴き声をあげ、主人や私の後をついてまわり、所構わず脱糞していました。この時は2.3日、放置し、いつもの愛らしさを取り戻したのですが、2回目は1ヶ月後に、愛猫の爪切りをし、家事をしていた所、シャー、ヴゥゥと唸り始め家の中をウロウロ、私達の姿が見えると威嚇、脱糞の繰り返 しで、なるたけ姿を見せない1日を送っていたら興奮が治まったのか、擦り寄って来たので撫でたり、抱っこしたところ、又威嚇し始めたのでゲージに隔離しました。夜になり落ち着いた様子でしたので、ご飯やお水、トイレを綺麗にしようとゲージに近づくとまた威嚇が始まりました。

2日目、威嚇をしたり落ち着いたりを繰り返していましたが、脱糞することはなくなりました。この日は1日ゲージで様子見、夜になると姿を見せても威嚇しなくなりました。3日目、大分落ち着いて来た様に思えたので、ゲージから出し、掃除機を掛けていた所、また威嚇が始まったので、チュールでゲージまで何とか誘導し姿を見せないよう間を置いたら落ち着いていますが、どのタイミングで威嚇し始めるか解らないので、ゲージから出してやることが出来ずにいます。

威嚇中は、私達の後をついてまわりウロウロし近づいて攻撃しようとしてきますが落ち着つくとスリスリ寄ってきて来るので、どのように対応するべきか解らずにいます!病院にも問い合わせをしてみたのですが、下痢止めを出すことしか出来ないので詳しいことは行動学の先生に相談してみて下さいと言われました。このままでは愛猫が怖くコミュニケーションとることが難しいです。


★★助言内容★★

性格的に見てもともと幼児性の強い個性を持った猫の場合は、成長してからも仔猫のように飼主に対して強い愛着を抱き、いつでもどこでもベタベタ甘えてくる傾向が見られます。そういう猫は飼主の行動はすべて受け入れるため、何をされてもまず問題を起こすことはありません。

それに対しおたくの猫さんはそれとは正反対の性格の持ち主で、無理に身体を触られたり一方的に何かをされたりするのを極端に嫌うタイプなのでしょうね。ブラッシングや爪切りをされただけで自律神経の緊張が極度に高まり脱糞するほどですから。もっともこれが人馴れしていない野生動物ならごく普通の反応なので、野性味が強いためと言えなくもないですが。

往々にしてそのような個性を有する猫の場合には、スリスリして甘えてきたので撫でてやっていると突然唸って咬みついてくるいわゆる愛撫誘発性攻撃行動がよく見られますが、今回のケースでもそのきっかけとなったのはこのタイプの攻撃行動であった可能性が高いと思われます。

一旦攻撃行動が起きてしまうと、猫さんの興奮状態が収まるまでの間はあなたやご主人の動きに反応してしまい、また嫌なことをされるかもしれないという警戒心から威嚇が続いてしまうのでしょう。それを避けるには、音や声などに過敏に反応するなど少しでも猫さんに緊張している素振りが見られるうちはケージから出さず、顔を合わせたり声をかけたりもしないようにすることです。

なお、おたくの猫さんのような俗に言うツンデレタイプの猫との交流は、向こうから甘えてくるような時は適度に相手をしてやる(猫が飽きる前に打ち切る)が、向こうにその気がない時はこちらからはちょっかいは出さず放っておくのが鉄則です。

嫌がるブラッシングや爪切りも無理強いは避け、初めはブラッシングなら体のごく一部、爪切りなら指1本程度に触れるぐらいにとどめ、そこでおとなしくしていられればご褒美に大好物のおやつを与えるようにしながら、日を変えて別の場所に作業を拡大してゆくようにします。要は弱い刺激から強い刺激に少しづつ晒すことで徐々にその刺激に馴らしてゆくというわけです。