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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.71:家に来て数ヶ月で目立って怖がりになった。


★★相談内容★★

初めまして。うちには、1歳になったスコティッシュの男の子がいます。家に迎えたのは4ヶ月になるぐらいの時でした。最初は抱っこが好きで飛び回って遊んでそばで寝たりもしていました。しかし、ここ数ヶ月で心配するほどビビりになり、少しの物音、人が立ち上がったり側で手を出すだけで勢いよく逃げてしまいます。

また、撫でたりすると噛まれたりもします。おもちゃでは楽しく遊びます。まったく近づかないわけではないです。母の隣で寝たり、スリスリしたりなどは最近でも見られます。すごく怖がりになった気がするのですが、何か理由があるのでしょうか。



★★助言内容★★

猫においては生後2〜7週間が、社会化期あるいは感受期と呼ばれるように仔猫の感受性が最も高まる時期であり、それに続く7週間ほどの期間も含めて経験したことが、その後の社会性や性格形成などに大きな影響を及ぼします。

すなわち、その時期に母猫や兄弟猫や人間との十分な触れ合いはあったのか、安定した情緒を育むのに必要な刺激に富んだ豊かな生活環境であったのかなど、その間の猫さんの状況を知ることが今回の原因を解き明かすひとつの鍵になりますね。

例えば生後間もなく親兄弟から離され、およそ刺激に乏しいペットショップのショーケースの中に入れられていたような猫の場合、ストレス耐性がないため様々な刺激に初めて晒されたりしただけで動揺しやすく、強い不安が生ずることで過剰な反応を示すことはよくあります。

そういった猫でも始めは子猫ゆえの無鉄砲さに加え、初めての環境に好奇心が優って夢中になってしまったりすると元の性格が隠れてしまうことがあるため、今回のように環境に慣れた頃にそれが現れて来たとしても不思議ではありません。

なお、それとは別に現在の生活環境が猫さんの行動ニーズを満たす環境になっているかどうかのチェックも必要です。猫さんがとりわけ臆病な性格の場合は、何かに驚いたり脅威を感じたりした時にその陰や下などに身を隠せる場所はありますか。家具や押入れなどが適当ですが、それがあるだけで安心感が得られビクビクしなくなることもありますのでご参考までに。

それから、ご家族の留守中に強い恐怖を抱かせるほど猫さんをひどく驚かせることがあり、それ以来警戒心や不安が募り今に至るまでビクビクした状態が続いているといった可能性も否定はできませんね。


★★相談内容★★

回答頂きありがとうございます。ブリーダーさんの所にいた時の事などはどーしてもわからず、どのような生活をしていたのか分かってあげることができません。

私たちが、迎えた時、一緒に寝たりせず、一人でゲージにいれ、夜は過ごしていたのでそこで何か怖いものがあったのかなと今考えていました。そこに気づいてあげることができず、ずっとその環境にしていました。

最近は、部屋をどこでも行ったり来たりできるようにし、家具で、隠れる場所もあります。どこにいるんだろうと思うと、階段の隅とか、誰にも見えない隅っことかにいて、やはり何かに怖がっているのかなと思います。

私たちには具体的に何をしてあげられるのでしょうか。もし、うちの子が家をリラックスできる場所と感じてないなら今すぐにでも出来ることをしたいです。



★★助言内容★★

多少怯えがあったとしても、環境への適応力を身につけさせるためには適度にストレスのかかる刺激を受けるようにすることも必要です。そのためにはあちこち自由に探索することで様々な環境刺激に遭遇できるような豊かで多様な環境が不可欠ですが、今のような状況であれば問題はないでしょう。ただし、家に迎えた当時のようにたとえ一日のうちの限られた時間であっても、ケージの中に閉じ込めておくようなことはくれぐれもタブーですのでご注意ください。

なお、猫さんが怯える様子を一切見せずにご家族の側でまどろんだり遊びを楽しむなど十分にリラックスしている時に、都度その望ましい行動に対するご褒美として大好きなおやつを与えることを繰り返し行うようにすると、その行動が徐々に強化され怯える行動に取って代わるようになります。試してみてはいかがですか。