病院ロゴ
病院ロゴ
猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.84:転嫁性攻撃行動の典型例かと思われます


★★相談内容★★

私の家は2頭飼いです。以前に庭の窓を開けて空気を入れ替えようとした所、年下の方の猫が突然威嚇をし出しとても唸り始めました。先住猫に対しても威嚇をしたので、間に入って止めようとしたところ私に対しても威嚇をしてきました。前回もこのような事があったものの、2時間ほどしたら元の状態に戻ったので今回も戻るかと思ったのですが、夜中にも喧嘩を始めようとしたりして全然元の状態に戻らない為何か治す方法があればと思って相談させて頂きました。

インターネットで調べたところ、霧吹きや手を叩いたりすると正気に戻ることがあると書いてあった為試しましたがなにも変わりませんでした。四人家族の一番下の娘に対してだけは威嚇をしません。やはりその場に最初いなかったことが威嚇する対象として関係してるのでしょうか?長くなってしまいすみません。よろしくお願いします



★★助言内容★★

おそらくは窓を開けた際に野良猫の匂いか何か嗅ぎ取ったことで猫さんに攻撃的な情動が生じ、興奮状態になったところにたまたま先住猫さんやあなたが居合わせたため八つ当たりされたのでしょうね。元々の攻撃対象である本来の相手とはまったく無関係な相手に、それが転嫁されてしまったいわゆる転嫁性攻撃行動でしょう。これは言ってみればとばっちりのようなものですから、その場に居なかったのであれば当然娘さんがそれを受けることはありません。

なお、はじめに猫さんを攻撃的に興奮させた刺激に再度晒されるようなことがなければこのタイプの攻撃行動はじきに収まるのが普通ですが、中には当初の興奮がなかなか鎮まらずにいつまでも攻撃行動が続くようなケースも見られます。ただしそのようなケースでは往々にして、転嫁性攻撃をされた側の反応が多分に影響していることがあるので注意が必要です。

例えば、今回突然攻撃された先住猫さんからしてみればなんで自分が攻撃されたのかわからないため、そこで過剰に反応して激しく反撃し合ったりすればそれを機に両者の関係がこじれたり破綻してしまうこともあり、その結果些細なことで喧嘩が絶えなくなるような事態も起こり得ます。飼い主さんの場合も同様で、猫さんの攻撃に対しそれが飼い主さんの仕業とわかるやり方で阻止しようとしたりすれば、それに反撃しようとする猫さんの更なる攻撃を招きかねません。

最善の策は、当面は猫さんに無用な刺激を一切与えないようにしてその興奮が収まるのを待つことです。よほど事態がこじれてしまっていたりほかに複雑な背景などなければ大概はそれで解決します。ただしその場合、先にも述べたように転嫁性攻撃行動のきっかけとなった最初に猫さんを攻撃的にさせた刺激を避けることはもとより、飼い主さんや先住猫さんからの刺激も制限する必要があります。それは基本的には猫さんとの接触や交流を制限するということです。

具体的な方法については、当院ウェブサイトの無料相談事例のページにあるキーワード検索フォームから、転嫁性攻撃行動というキーワードで検索していただければ関連記事が数多くヒットすると思います。その中で該当しそうなものを参考になさってください。