はじめまして。 今、生後6ヶ月のオスのスコティッシュフォールドを飼っています。生後4ヶ月を過ぎた頃から甘噛みよりも強めに噛んでくるようになりました。最近去勢手術をしたのですが、その噛みつきがより頻繁になり本気で襲ってきます。
触っていなくても突然噛んできて、振り払うとより襲ってきます。噛まれる場所は手、腕、足、顔など出ているところ全てを狙ってきます。遊んで欲しいのかと思い、猫用のおもちゃで遊びますが全く興味を示しません。
甘えてくるときは喉を鳴らして近寄ってきたかと思うと、突然噛むの繰り返しです。いつ噛まれるかも分からないので常に身構えてしまいます。正直どうしたら良いのかも分からず、わたしも夫も生傷が絶えず、どうしたら前のように大人しい子になるのか途方に暮れています。ネットに載っている噛まないように躾ける方法は何一つ効果がありませんでした。
飼い猫のことは噛まれても可愛いし大好きなのですが、友人や将来できるかもしれない子どもに噛んだらと思うと気が気ではありません。もし原因があり改善出来るなら、飼い猫のためにも頑張って改善してあげたいと思っています。何か思い当たる事がありましたらご教示くださいませ。どうかお力を貸してください。宜しくお願い致します。
相談内容に記載されているだけの猫さんの攻撃行動に関する特徴を見た限りでは、今回のケースには遊び関連性攻撃行動の関与が強く疑われます。その特徴のひとつが、攻撃は飼い主さんが猫さんに触るなど何かの行動をしたというような、およそそのきっかけとなるものがないのにもかかわらず起きており、それは言ってみれば誘引のない自発的な攻撃行動であって遊び関連性攻撃行動の大きな特徴でもあります。
なお、遊び関連性攻撃行動は捕食性攻撃行動と同種のものであるため、攻撃に際しては同じように相手を威嚇する唸り声をあげたり攻撃の最中に鳴き声を発したりしないのが普通です。更にはどこかに隠れて突然飛びかかってきたり、忍び寄ったり追いかけて飛びかかるなどの行動も一般的に見られます。したがって、猫さんの攻撃行動に毎回そのような特徴も見られるようであれば疑いは一層強まります。
ほかには猫さんの生まれてからの経緯はわかりませんが、もし仔猫の頃に兄弟猫やほかの猫と遊ぶ機会がほとんどなかったり人間との関わり合いが不適切もしくは不十分であったとすれば、攻撃的な遊びを抑制することを学んでいないため今回のような事態を招く可能性が高いでしょうね。おまけにそれが探索の機会や様々な刺激に乏しく適切な遊びが不足するような環境であったりすれば、その後の遊び行動に様々な問題が生じる恐れが一段と高まりますのでそれも考慮する必要があります。
実際に今回のケースがそのような遊び関連性攻撃行動に基づくものであるとすれば、それに対する対応方法は猫さんが攻撃してくる場所や時間や状況など可能な限り予測するとともに、先手を打ってあらかじめ環境を整備したり猫さんの気を逸らせるなどして、その攻撃をほかの適切な行動に導くことが基本となります。そこでは行動変換代入法などの行動療法を用いて行動修正を行いますが、その目標は攻撃の対象となっているものへの猫さんの関心を減らすことに尽きます。
それら行動修正法の具体的内容や詳細につきましては、実際の行動診療において処方するものでここでは言及できませんのでご了承ください。
先日ご相談させて頂いた○○と申します。返信ありがとうございました。大変参考になりました。遊び関連性攻撃行動の可能性が高いということはよく分かりましたが、いくら沢山遊んでいてもいきなりスイッチが入ったかのように襲ってきます。私も夫も傷だらけになってしまい、流血もしています。ぜひ無料相談ではなく本格的な診療をして頂きたいのですが、どうしたら良いでしょうか?ご教示頂けますと幸いです。宜しくお願い致します。