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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.11:避妊手術後に同居猫を攻撃し始めた。


★★相談内容★★

6歳になるアメリカンショートヘアの雌猫××が、先日病気の為子宮を摘出しました。他二匹の雄猫とずっと仲良く暮していたのですが、抜糸をしてもう大丈夫、という頃から突然一匹の雄を襲うようになってしまいました。ケンカではないのです。探しては襲うんです。相手の子ももう一匹の子も毎日脅えてしまっています。今は私がいる間は別の部屋に隔離して、夜と外出時は××をケージに入れています。視界に入るだけで襲い掛かるので、どうしたらいいのかわかりません。かかりつけの先生にも相談しましたが、とにかく隔離して、と言われても、日常生活を送るうえでかなり支障があるし、限界もあります。もう一匹の雄には全く関心がないようです。どうしたらいいか、アドバイスを頂きたいのですが。在宅指導を受けようと思っています。



★★助言内容★★

同居している仲間の猫が病気で入院するなどしていて、それが退院して帰ってきた時のほかの猫の反応の仕方や行動次第によっては、今回のようなケースが起こることはよくあります。入院中にほかの動物の匂いが付着していたり、エリザベスカラーのようなものを装着して帰ったような場合、ほかの猫がそれに対して強い恐怖を感じたり、以前の仲間とは認識できずに、執拗に威嚇するなど過剰に反応してしまい、とたんに以前は仲の良かった両者の関係がおかしくなるというのが比較的多くみられるパターンです。

その場合、病院帰りの猫が突然攻撃を仕掛け、ほかの猫が逃げまどったり防御的攻撃に出るというケースがほとんどですが、一般に縄張り意識からくる攻撃行動であれば、特定の一匹だけが攻撃対象になることはなく、防御的な攻撃行動であれば相手を追いかけてまでして攻撃することはありません。突然相手を嫌いになり、その存在に我慢ができなくなったとしか思えないこのような攻撃行動については、残念ながらその動機などが充分には解明されていません。そのため治療が難しい面もありますが、体系的除感作といった行動療法が奏効することもあります。