初めまして。インターネットで拝見し、相談させていただきたく、ご連絡しました。相談内容は、半年のスコティッシュのオスを飼い始めて3ヶ月になります。もともと、結構やんちゃな性格ではあったのですが、前わやらなかったのに、最近、テーブルの上、キッチン、コンロの上、洗面台、洗濯機などいろんな所に乗って歩き回っています。
小さい時にテーブルなど乗らないようにしつけをしたつもりなのですが、できていなかったようで.... 怒りすぎてもと思い、最近は乗ったら降ろしてなど繰り返してて、出かけるときは怖くてゲージに入れてからじゃないと出かけられなくなりました!どーやって教えてあげたら、ストレスがないのかわかりやすいのか全然わからず、今家族で悩んでいます。なにか原因があるのでしょうか。追加、今年の年始に去勢手術うけています。
猫を飼育するにあたっては、本来が自由生活者である種特有の行動欲求が十分に満たされるようにするため、どこでも自分で好きに探索して回れ何かと好奇心が刺激されるような豊かな生活環境を用意してあげたいですね。なお、その際に留意しなければならないのが、猫にとっては平場を歩いたり走ったりする平面的な動きだけでなく、高い所に飛び乗ったり壁面をかけ上がったりする立体的な動きが極めて重要であるということです。
したがってあえてそのような行動を制限することは、猫に対して欲求不満からの強い環境ストレスを生じさせる要因となりかねず、それが情緒面に悪影響を及ぼすことで後々様々な問題行動の誘引となってしまう恐れがあります。それを避けるには、猫のお気に召しそうなキャットタワーなどの上下運動可能な仕掛けをふんだんに設置し、いつもそこで一緒に遊んでやったり食べ物を与えるなどして、家具などよりそちらに興味を向けさせるというのも有効です。とは言え、そのようにしていても火を使っている時のコンロなどに急に飛び乗られたりする可能性がなくはないため、そういった危険を回避するうえで有用な当方お勧めのとっておきの方法をお教えします。
そのためにはちょっとした道具立てが必要で、殺虫剤メーカーのフマキラー社が販売している「猫まわれ右びっくりスプレー」という製品を使います。これは赤外線センサーが生体を感知すると警告音と同時に人畜無害のLPガスを噴射する、野良猫の糞害対策用に開発されたごく小さな装置です。この装置を飛び乗ってはいけない場所に置いておくことにより、そこに近づくと装置が作動し音とガスの噴射によって猫を驚かせます。これは嫌悪条件づけという学習理論に基づく手法を利用しており、特定の場所に近づくと決まって不快で嫌なことが起きるということを猫が学習すれば、その後はその場所を避けるようになるというものです。
それに対し、猫が望ましくないことをした時に大声を出すなどして驚かしたり叱ったりしても、それが飼主さんの仕業であると猫が認識している限りその場ではやめますが、飼主さんがいなければ平気でやってしまい嫌悪条件づけにはなりません。あくまでも猫からすれば、いけないことをすると誰の仕業でもないのに嫌な目にあうといった状況になることが必要です。猫の問題行動において行動修正を行ううえで嫌悪条件づけは不可欠な手法のひとつですが、とりわけ今回のようなケースにそれを応用する場合、この装置は簡便でありながら極めて有用だと思います。お試しあれ。