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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.67:保護した仔猫を咥えようとする雄の先住猫。


★★相談内容★★

1歳7ヶ月と1歳1ヶ月の雄猫を飼っています。1週間前、2ヶ月の野良猫(雄猫)を保護しました。目を炎症起こしており、先日手術などしました。手術から帰ってきた日までは、子猫の事を気にする程度だったのですが、今朝、ご飯の為ゲージから出し食べさせていると、1歳7ヶ月の猫が急に子猫の首元に噛み付いて……私達がやめさそうとすると咥えたまま持っていこうとします。うちに来て初めての行動に飼い主の私達が戸惑っています。



★★助言内容★★

先住猫さんにしてみれば自分たちの生活環境にある日突然見知らぬ猫が出現したわけですから、通常であれば先住猫さんの縄張り行動が誘発され、侵入してきた猫を排斥しようとして攻撃したとしてもおかしくない状況ではあります。

ただし、大多数の動物に備わっている生得的解発機構と呼ばれる仕組みにより、こと幼獣に対してはその特有の形態や鳴き声、匂いや身振りなどに反応して攻撃行動が抑制されるため、今回のケースでも相手はすでに赤ん坊とは言えない月齢の仔猫ではあるものの、それが機能した可能性があります。

この場合、先住猫さんには相手を排斥したいという衝動の一方で、その意に反して攻撃性にブレーキがかかってしまうという二律背反した状況の中で葛藤が生じ、それが仔猫を咥えて持ち去ろうとするような不可解な行動を引き起こした可能性が高いと思われます。

このように、ある状況において唐突に出現するその場の状況とはおよそ脈絡のない行動は一般には転位行動と呼ばれるもので、心の葛藤でにっちもさっちもいかなくなった時などにしばしば見られる行動です。我々が何かに行き詰まったりすると、頭を掻き毟ったりするのと同じものですね。

今はそのような混乱した状況であっても、いずれ仔猫の存在が自分に脅威を与えるものではないとわかれば、先住猫さんも自然と受け入れるようになると思いますよ。